真実に向かってひた走る日記

映画が大好き。考察するのも大好き。いろんな映画の真相、裏を探ったり、意見を述べたりしていきます。

ジブリは滅ぶのか?後継者不在のジブリの内情とは。

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人類にとっての永遠のテーマ。

 

 

 

それは、ジブリ作品における、

 

 

 

・宮崎駿の後継者は?

・宮崎駿vs宮崎吾郎。

・今後のジブリはどうなるの?

 

 

といった論議。

 

 

 

 

この世界において、無くてはならない、

ジブリというアニメーション。

 

 

 

宮崎駿が引退してしまった今、

ジブリの存続と展望について本気で考察する時が来ました。 

徹底的にいきましょう。 

 

 

・宮崎駿、宮崎吾郎、高畑勲の代表作について

 

 

まずは三者の作品を分類せねばなるまい・・・!

ということで、以下にジブリ作品を監督ごとにまとめてみた。 

 

 

 

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この表を見てまず初めに思うことは、

見事なまでの宮崎駿の豪華ラインナップ。

 

 

さすがはジブリの一時代を築いた男。圧倒的。

 

 

しかし、宮崎駿はもう、ジブリにいない。

 

 

ここで、今後のジブリ最大の課題について話したい。

 

 

 

宮崎駿、高畑勲、鈴木敏夫の高齢化

 

 

 

・高畑勲(たかはたいさお)ってだれ?

 

ご存知の通り、宮崎駿は引退しました。

理由は本人も言っている通り、年齢のせいです。

今後、「監督 宮崎駿」の作品は生まれないことになります。

 

 

 

そして、宮崎駿引退直後の公開となる『かぐや姫の物語』。

世間の、特に若い人は、「高畑勲監督」というものに、

ジブリの後継者的感覚をおぼえた人も多いんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

しかし、高畑勲は、宮崎駿の後継者ではありません。

 

 

 

 

それどころか、宮崎駿が72歳なのに対して、

高畑勲は78歳。高畑勲の方が6歳も年上なんですね。

 

 

 

 

 

そもそも高畑勲という名前を知らない人も多かったはずです。

 

 

 

ジブリといえば宮崎駿。次に息子の宮崎吾郎。

この宮崎ブランドのイメージが強いからです。

 

 

 

さらに、高畑勲監督の代表作は、火垂るの墓以外は

あまり地上波では放送しない、いわばマイナー作。

ぽんぽこがたまに放送されるくらいでしょう。

 

 

 

 

 

そこで、話題になった『かぐや姫の物語』の監督、高畑勲を

若者が後継者的に捉えるのは当然のことです。

 

 

 

 

しかし彼はジブリ創設初期メンバーであり、

大御所中の大御所。しかもこの年齢。

『かぐや姫の物語』はその巨匠、高畑勲が長年かけて作った作品であり、

高畑勲もまた、この作品を最後に引退するのでは?

と、私はみています。

 

 

 

 

 

・鈴木敏夫(すずきとしお)は知ってますか?

 

 

鈴木敏夫。この名前はどうでしょうか?

 

 

やはり、単にジブリ作品を映画として楽しんでる人には

馴染みが無いかもしれません。

もしくは聞いたことはあるけど・・・、とか。

 

 

 

鈴木敏夫は、全ジブリ作品を手がける敏腕プロデューサーです。

 

 

 

ジブリ作品の声優に有名人が多く使われていることは知ってますよね?

それは、テレビと連動して作品を認知させる、

鈴木敏夫式プロデュースで、見事に成功しています。

 

 

 

 

同時に取締役として経営面も管理し、

いわばジブリのもう一本の柱と言えます。

 

 

 

そんな鈴木敏夫もジブリの初期メンバー。

年齢は65歳。宮崎駿や高畑勲より若いものの、

高齢なのは間違いありません。

 

 

 

 

 

ジブリの黄金時代を築いた3人が引退した時を考えれば、

必要なのは、そう、後継者

 

 

 

ここからジブリ後継者について、数々の問題について話します。

 

 

 

 

後継者は宮崎吾郎。・・・でいいの?

 

 

ジブリにおいて後継者が必須なのは、

ジブリ高齢化問題から分かってもらえたと思いますが、

重要なのは、後継者は1人じゃ足りないということです。

 

 

 

 

なぜなら、ジブリ作品とは、こだわり尽くして生まれるもの。

1年や2年そこらで1つの作品を作ることはできないんです。

つまり、本来上映間隔が空きすぎてしまうものなんです。

 

 

 

 

 

例えば2000年以降で言うと宮崎駿監督は、

 

2001年 千と千尋の神隠し

(3年)

2004年 ハウルの動く城

(4年)

2008年 崖の上のポニョ

(5年)

2013年 風立ちぬ

 

 

と、3〜5年かけて次の作品を作ってるんですね。 

 

 

 

 

 

でも体感的にはそんなに感覚が空いてる気はしない。

それは、間に宮崎吾郎、高畑勲始め、他の監督のジブリ作品を

上映してるからなんですね。

 

 

 

 

そうすることでジブリファンを離すこと無く、

継続的に人気を集めているわけです。

 

 

 

 

 

 

しかし当然、ジブリを代表して作品を発表するわけですから、

間の作品でも、かなりの質でおもしろくなければならない。

おもしろくなければ、逆にジブリファンは離れてしまいますから。

 

 

 

となると、間の作品を作る監督にも、これまた宮崎駿に

退けを取らないほどの、監督が複数必要になるわけです。

 

 

 

 

 

さらに、間の作品にも宮崎駿は、脚本などの形で

大きく関わっているわけですから、そこも含めて任せられる、

相当な能力を持つ後継者が求められることになります。

 

 

 

 

 

 

これが、簡単に後継者を見つけることができない理由です。

 

 

 

では、後継者候補についてお話ししましょう。

 

 

 

 

・最大の後継者、近藤善文(こんどうよしふみ)の死

 

 

ジブリ史上唯一にして最大の後継者といえば、近藤善文です。

彼は大ヒットした『耳をすませば』の監督であり、

『魔女の宅急便』や『もののけ姫』などでは作画監督も務めた、

宮崎駿に過去唯一認められた監督でした。

 

 

 

 

彼は、間違いなく宮崎駿の後継者となり、

将来のジブリを担っていくはずの逸材でした。

 

 

 

 

しかしなんとも不幸なことに、

彼は47歳の若さで病死してしまいます。

 

 

 

ジブリ後継に立ちはだかる壁のなんと大きなことか・・・。

 

 

 

 

・宮崎吾郎は最低限

 

「後継者と言えば、まずは、宮崎吾郎がいるじゃないか」

と思う方は多いでしょう。

 

 

では、宮崎吾郎がメガホンを取ることになった経緯と、

その結果についてお話ししましょう。

 

 

 

 

 

 

まず、宮崎吾郎が『ゲド戦記』において監督をすることになった理由。

それは、宮崎駿、高畑勲の高齢化による、後継者育成のため。

そう鈴木敏夫本人が話しています。

 

 

 

 

ではなぜ、宮崎吾郎なのか。

それは、・・・宮崎駿の息子だから。それだけ。

 

 

 

 

アニメーション制作なんてしたこともなかった宮崎吾郎が、

宮崎駿の息子じゃなけりゃ、監督に抜擢されるはずもないのです。

 

 

 

 

 

しかしこれは鈴木敏夫の案。

宮崎駿はこれに断固反対。鈴木と激しく対立しました。

 

 

 

しかしなんとか

宮崎吾郎が監督を務め、出来上がった『ゲド戦記』。

結果はというと・・・?

 

 

 

 

 

 

 

これは有名な話ですが、宮崎駿は、『ゲド戦記』の試写会で、

1時間で席を立ってしまいます。

 

 

これは、最後まで見る価値もないほど

おもしろくなかった。という、答え。

 

だから反対したんだ。ということ。

 

 

 

 

 

現に、今でも『ゲド戦記』を宮崎吾郎に撮らせたことについて、

宮崎駿は鈴木敏夫を許していない、と明かされています。

 

 

 

 

 

 

私は、個人的には『ゲド戦記』が大好きです。

近年のロマンロマンした宮崎駿作品よりは、よっぽど。

 

 

 

 

しかし、どこか儚く残酷に仕上がった『ゲド戦記』を、

宮崎駿は許せなかったのかもしれませんね。

(しかし宮崎駿も、最後の最後で、『風立ちぬ』という、儚く残酷な映画を作り上げるわけですが。)

 

 

 

 

 

 

 

世間の反応も賛否両論。

この時点で後継者とは言いがたい状況です。

 

 

 

 

 

 

・始まったジブリ経営5カ年計画

 

そうはいっても、さすがにこの調子ではジブリは滅んでしまう。

差し迫る危機感から、2009年頃ついに始まった、

後継者育成プログラム。それがジブリ経営5カ年計画

 

 

 

 

これは、初めの3年は、企画と脚本は宮崎駿が用意し、

それを若手が監督し、作品を作る。

あとの2年で超大作の制作をさせる。

という長期的計画。

 

 

 

 

 

まずは第一弾、『借り暮らしのアリエッティ』監督 米村宏昌

そして第二弾、『コクリコ坂から』監督 宮崎吾郎

 

 

 

 

 

何気なく上映された作品を見てた方は、裏で

このようなことが行われていたことを

知らなかったかもしれません。

 

 

 

 

 

 

それでも、おなじジブリ作品でも個性は出ます。

 

 

この作品、今までのジブリ作品とどこか違う・・・。

そう感じた人は多かったんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

両作品の手応えは、まずまず。

またも賛否両論。乞うご期待。というかんじです。

 

 

 

 

 

 

結局確たる後継者は不在のまま

 

 

 

 

やはり、近藤善文の時とは違い、上の2者は無理矢理育成してるため、

今後後継者としてやっていけるのかどうかは、正直わかりません。

 

 

 

 

そして、後継者の台頭を待たずして、宮崎駿は、引退

 

 

 

 

今後、ジブリが存続するのか衰退するのか、なんとも言えない状況。

 

 

 

 

いつか、宮崎駿監督が年をとって亡くなり、

本当にジブリを助けられなくなった時、

後継者の真の資質が問われます。

 

 

 

 

その時、宮崎駿が安心して逝けるような、

良い後継者が現れてくれると、いいですね・・・。

 

 

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